油絵人物画の制作過程を紹介 直観を生かした作画工程 中編

 

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お絵描き父さんのブログ絵画教室へようこそ。

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今回は、前回の続きで、着彩工程の下層描きを紹介していきます。

引き続き、2012年の私の作品を参考に解説を進めてまいりましょう。

前回は、パネルにジェッソを施した支持体に鉛筆で下描きを進めたところまで紹介しました👇

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今回着目するポイントは

①最初におつゆ描きをする重要性

②下層描きを進めるうえでのコツ

 

という2点になります。  

人物油彩画の着彩工程

おつゆ描き

油彩工程の最初は、おつゆ描きを進めます。

おつゆ描きとは揮発製油を多めにし絵の具を薄く溶き、油がたれるぐらいの量を筆に含ませて描く方法です。

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水彩で描いたようになります。

今回は各パーツに軽く色を置いてますが、大抵の場合、茶褐色系の絵の具で陰影や輪郭線を捉える程度にとどめます。

 

堅実に、グリザイユ技法やカマイユ技法に進む場合は、画面全体に茶褐色系でインプリマトゥーラ(有色下地)を薄く施し、そこから茶系の絵の具を薄く溶いて下層描きを進めるのが良いでしょう。

ただ、今回は通常とは違い、変則的な形で進めております。

 

 

おつゆ描きは、下描きの形を起こしていく油彩段階の下描きという意味で非常に重要で、かつ欠かせない工程です。

揮発性油で薄くといてますので、失敗しても、簡単に布で拭き取ることが可能です。

 

人によっては、木炭での下描きや、スケッチの転写の段階を省き、下描きの工程をこのおつゆ描きから始める場合もあります。

モノトーンによる下層描き~原色を直感的においていく彩色工程

その次に、今回は軽くグリザイユ的な段階を入れてみました。かなり変則的ですがお付き合いください。

 

まず少しパレットを見てもらいましょう👇

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モノトーンを、黒とホワイトの絵具でパレット上にあらかじめ作っておきます

※少し、黒を柔らかくするためにアンバー系の絵具を足しています。

 

陰影をしっかり捕らえることを意識し、モノクロで描きます。

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今回は、グリザイユっぽく、という感じで、完全にグリザイユではありません。

軽く、モノトーンを入れるような感じになります。固い絵になるのを避ける狙いがありました。

 

モノクロの段階は軽めで切り上げます👇

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今回のこの絵ですが、当時は印象派っぽく人物を描いてみたいと思っていて、実験的に原色をそのまま置いていく直観的な描き方を、次の段階から進めていきます👇 

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思いつく色を次々と感覚的に置いていきます。何も考えす感覚に任せます。

若干、アラ・プリマ技法に近いかもしれません👇

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色を置いたら、乾いた筆でなじませ、肌の感じを表現していきます。

全体を大きくなじませるときは、扇形の筆を使い、細かいところは小さいサイズの筆でなじませていきます。

豚毛を用いるとざっくり大きくなじみ、やわらかめのタヌキやコリンスキーの毛だとふんわりなじみます。場合によって使い分けましょう。

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2層目以降のために筆のタッチを残しておくことにしました

筆のタッチを残すことにより、二層目以降の色の食いつきが良くなるのです

 

印象派の感じを少し表現する為、あまりなじませすぎないように、原色を残しています。原色の彩度というのは、混色によって失われていくので、画面上で馴染ませすぎると、印象派のような鮮やかな色味が失われていきます。

原色をそのまま乗せることは、タブーのように思われる場合もありますが、個人的には好きですし、印象派絵画の美しさは原色にあるともいえるのではないでしょうか。

 

今回は、ここまでになります。

いよいよ次回は、完成へと進む後編となります。

最後までお読みいただきありがとうございました。 

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