今回は、油絵が上達したいという方に向けて、以下の質問に答えます。
- 油絵を始めたが、なかなか上達しない。
- デッサンの上達は、油絵の上達において必要?
- 油絵で色彩を上手く用いることが難しい。
これらの悩みに、他サイトとは違う視点からアプローチします。
基本的に人物画に焦点を当てていますが、人物画に限らず上達する上での一つのヒントになるかと思います。
まず、アートには多くのアプローチの仕方があり、答えは一つではない、という点を前置きしておきます。
それを踏まえた上で、私のブログを参考にして頂くと幸いです。
油絵が上達するにはどうすればいいかという質問の答えはシンプルで、この記事で書かれている事を実践すると、順調に上達していきます。
まず、最初に答えをまとめると
では順を追って解説していきましょう。
なぜ上達できないのかを知る
先ほどの三つの点を解説していく前に、おさえておきたい点があります。
なぜ上達したいのか
なぜ上達できないのか
です。
まず“上達”の定義をおさえておく
質問ですが、あなたはなぜ上達したいのでしょうか。例えば、油絵の技法を学んで、すぐに実践できますか?
なかなか思い通りにいかないでしょう。
とりあえず描きたいものを描けば良いと思われるかもしれませんが、思い通りに表現したいと誰もが願っているはずです。
そうです。
思い通りに表現できたほうが楽しいから上達しようとします。
上達の意味を知って、目標を明確にしましょう。
それが原動力となり速い成長につながります。
例えば、サッカーの技術向上を目指さず、ただボールを蹴りあっているより、メッシ選手のように自在にボールを操れるほうが楽しいのではないでしょうか。
上達とは、あなたが楽しく絵を描いていくために必要なことです。
この記事の内容は、楽しく描けるようになるための方法でもあります。
上達できないのは、表現する力が不足しているから
では、上達する必要性について再確認したところで、なかなか上達しない理由を説明します。
下のツイートをご覧ください👇
キャンバスに、木炭で下描き→グリザイユを二層→乾性油で画面を湿らせてからの、彩色二層
で描いてます。木炭の下描きから、おつゆ描きの段階は踏まず、直接グリザイユに移行しています。
木炭の下描きをしない場合は、オーカー色でのおつゆ描きの段階を踏みます。#グリザイユ #油絵 #下描き pic.twitter.com/EMGRov9O6b
— お絵描き父さん daddy’s in oil painting 芸術を通して心に安らぎを🎨 (@Oekakitosan) 2020年2月16日
油絵を始めたばかりの方が、このような参考例を見ていきなり技法を駆使するのは難しいですよね。
その理由はなぜでしょうか?
それは、単純に表現する力が不足しているからです。
初心者の方が陥る失敗の理由がここにあります。油絵を描きたい気持ちが先行しすぎて、基礎を見落としてしまうのです。
では、基礎を身に着ける方法をこの記事から学んでいきましょう。
その前に、基礎を身に着ける上で注意する点があります。
技術が自由な表現の妨げにならないように注意する
画力がどうとか言われても、楽しく描きたいだけなんだよね...
海外ではもっと自由な表現を尊重している気がするけど、どうなんだろう?
技術が自由で楽しい表現の妨げにはならないように注意しましょう。
例えば長渕剛さんは、詩画を描かれていますが、絶対に習い事には行かないと、言われてました。
それはそれで一理あるかと思います。
皆さんの自由な表現が個性であり美しいもの
私が展覧会やインスタで観たいのは、色々なアーティストさんが自由に表現した作品です。
皆さんの美しい表現を実現するために、基礎を身に着けていきましょう。
★私が画塾や大学の同級生を見てきた中で、素直な人はぐんぐん成長していました。素直さも上達への近道だと思います。
では、具体的に油絵が上達するために必要な方法を学んでいきます。
基礎画力を身に着ける
基礎画力とは簡単に言い換えると、デッサン力の事になります。
では、デッサンにどう取り組むべきでしょうか。
デッサンの上達がゴールではない
まず、覚えておいていただきたいのですが、デッサンの上達がゴールではありません。
目的を見失わないようにしてください。
尻込みする必要はありません。
デッサンを何万枚も描けばいいというわけでは無く、デッサン力が向上しさえすればいいという事です。
具体的にどうすれば良いのでしょう。
まず、デッサンと線との関係について知ってください。
面は線の集まりで構成されている
大きい筆で、ひと描きしても美しい絵は生まれません。
一つ一つ、線を重ねていく先に、作品が生まれます。
線の差が、絵における圧倒的な差につながります。
その線を強化する方法がデッサン力の向上というわけです。なので線を見れば、その画家が優れているか一目で分かります。
基礎画力(デッサン力)を向上させる最短の方法とは
では、その線の力を強化する最短の方法はあるのでしょうか。
あります。
クロッキー(スケッチ)を、毎日描くこと!!
クロッキーとは、短時間で人物のスケッチを行う事です。
この、クロッキーによって、飛躍的にデッサン力が向上します。私の経験上、事実といいきれます。
大切な点として、毎日行うことが大切です。筋トレと同じで、やらなければすぐに衰えます。
時間を計ってパートナーにポーズをとってもらったり、道行く人をスケッチするのもいいでしょう。
スケッチするだけで良いんですよ。簡単じゃないですか?
受験デッサンなど目指しているなら別ですが、画力をつける為だけならデッサンはしなくてスケッチだけで十分です。
クロッキーがうまくなれば、デッサンも同時に上達していきます!!
私自身は大学受験前、画塾で受験デッサンを描きまくってましたが、あんまり好きじゃなかったです。
大学に入ったらすぐに油絵を始めて、以降、静物のデッサンは全くしてません。
とにかくデッサンを描きまくれば良いわけでもないんだね
ちょっと質問。
“抽象画”を描くという点では、デッサン力は必要?
抽象画は専門ではありませんが、感覚の調整にクロッキーやスケッチは役に立ちます。
自分の脳から手にセンサーを送る精度を高められるのではないかと、私は考えています。
なので、抽象画にも間接的に役立つといえるでしょう。
色彩感覚を身に着ける
油絵は色を扱うので、色彩感覚を身に付けることは避けて通れません。少しピカソの話をしましょう。
色彩感覚の乏しかったピカソ
ピカソはデッサンを描くという点では天才的でしたが、色彩感覚の点で乏しかったと言われています。
デッサンの能力はあっても、色彩感覚がなければ、色とりどりの油絵を描くのは難しいのです。
そして、我々日本人は色を扱う点で少し国民的に不利な民族です。
全体的に色に触れる機会の少ない日本人
色彩感覚を身に着ける方法は、とにかく色を使いまくるしかありません。
でも、色を使いまくるというのがそもそも難しくありませんか?
日本人は国民的に服の色づかいは少し地味目ですし、そもそも色を日常生活で多用する機会が少ないのではないでしょうか。
※着物とかは素晴らしい色使いですが。
ではどうすれば良いのでしょう?
色に触れまくって色彩感覚を身に着ける裏技!「色遊び」をやってみよう!
普段からできるだけ色に触れておけば、いざ制作する時に色を操ることが可能になります。
しかし、普段から色に接する機会が少ない控えめな日本人にとって、その点を強化するのは至難の業です。
では、ここで良い方法を御紹介します。
色遊びです!!
なんじゃそりゃ、ですよね。では、やり方を説明します。
騙されたと思って、やってみてください。
これは、なにもおふざけでは無く、本当に私自身、画塾時代にこの色遊びで飛躍的に色彩感覚が磨かれました。才能が開かれた感覚におちいりました。
大勢でやると楽しいですよ。
色遊び。なんか、楽しそう
★汚しまくりたくないという方は、ポーリングアートという別の方法があります。画用紙に絵の具の原液を垂らして遊ぶ方法です。
補足
余談ですが、色についての理論的な知識を得ておくことは、絵を描く上で武器になります。
書籍などで、色の組み合わせが人に与えるイメージについて学ぶのも良いでしょう。
まとめ
油絵の上達に必要な事 まとめ
①デッサン力の向上⇒必ずしもデッサンが上手くなることが目的ではない。スケッチやクロッキーでも向上可能!
②色彩感覚を研ぎ澄ます⇒色を使いまくる(色遊び)。
今回の記事は以上になります。
技法などについては次の記事で紹介していきます。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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