支持体って何?
支持体とは油絵を描くキャンバスやパネルの事を言うんだよ。
※古代において、地面や石に絵を描いた時代もあり、それを支持体と呼ぶこともできます。
油絵の支持体には何を選べばいいのだろう?
どんな支持体を選べばいいかの判断材料として、今回と次回の記事でキャンバスとパネルについて詳しく解説していきます。是非参考にして、あなたに合った油絵の支持体を選んでください。
今回の記事ではキャンバスについて、次回の記事ではパネルについて解説していきます。
油絵の支持体「キャンバス」について
まず最初に皆さんに油絵の支持体としておすすめなのが、キャンバスです。木枠に布が張っているものです。
基本的にキャンバスは麻布が貼られたものが主流。そして基本的にこの麻布キャンバスを購入しておけば問題ないです。
麻布以外では、綿100%のものや綿・化繊の混合キャンバスといったものがあります。安価に手に入るので手軽に描きたい時にはお勧め。描きやすさの点や保存性では麻布に劣ります。
綿100%や綿・化繊のキャンバスは、目が均一で綺麗と謳い文句にありますが、私の場合がっちり下地を施すので関係ありません。目が潰れるくらい下地を施します。
キャンバスはなぜお勧め?
キャンバスをお勧めする理由として、保存性の良さ、描きやすさ、油絵の具との親和性を挙げられます。布目に絵の具が食いつき堅牢な画面になりますし、剥離の心配をせずに何層も重ねる事が出来ます。
重さの点で、運びやすいという利点もあります。大作に向いている支持体と言えます。(ただ絵の具を厚く塗り重ねると重たくなります。)
また程よく絵の具が食いつき表面も布という支持体である故、筆にやさしい支持体とも言えます。(例えばパネルにジェッソを施した支持体では、最初筆の摩耗が激しいです。)
また、キャンバスの利点として以下の二点があります。
- 油の吸収性を選ぶ事が出来る
- 目の荒さを選ぶ事が出来る
キャンバスの油の吸収性について
半吸収性と非吸収性のキャンバスが売られてるけど、どっちを買えばいいの?
どちらのキャンバスでも油彩画を描くことは可能だよ。
半吸収性は、アクリル絵の具にも使用できます。
グリザイユ技法などを用いる場合は吸収がある程度無いと、段階を追って描き進められません。
描き味が違うので、皆さんが表現したい作品に合わせて選んでください。
キャンバスの目の荒さについて
キャンバスには縫い目の荒さが、細目、中目、荒目とあります。それぞれ作風によって目の荒さを選びましょう。
大胆な抽象画などの表現には荒目、細かく繊細な絵を描きたい場合は細目が向いています。
細目の布のほうが高いイメージがあります。
私は、できるだけ平滑な画面が好みなので、細目が安売りしていたらすぐに買います。
繊細な人物画には細目をおすすめいたします。
キャンバスを自分で張ってみよう
キャンバスは、布を木枠にビスで打ち付けて作られています。
みなさん自分で、キャンバスを張ったことはありますか?
無いで~す!
「キャンバスの貼り方」を説明します。
画材屋かネットで木枠を買いましょう。
大阪の方であれば、直接、笹部洋画材料店に足を運び購入するのが最安でおすすめ。ただネット通販でしたら世界堂かアマゾンで買いましょう。
杉と桐どちらでも良いです。杉のほうが高級品になって高いです。私は桐のほうが軽くて安いので桐を購入しています。
Amazonでの購入を躊躇されるかと思いますが、送料も無料で手軽で、私は問題ないと思います。
木枠に張る布を購入してください。布は高いので、掘り出し物や処分品を、画材店でお得に購入しましょう。
目の荒さや吸収性の違いなどを考慮して、良く選んでください。
私は、中目か細目の半吸収性(アクリル・油絵共用)のものを購入してます。中目でも下地で目を埋めてしまえば細密画に使用できます。
Amazonでも良いものがあったので紹介しておきます。
下は世界堂の油彩専用キャンバス。非吸収性ですぐに油絵の具の輝きや効果を表現したい方はこちら。
私は屋外でやります。タックスを打ち付ける作業なので屋内ではしません。広いスペースがあるほうがやりやすいです。大きなキャンバスを張る場合は、高さを確保できる足場など(イスなど)も用意しましょう。
木枠をはめ込んで組み立てます。
組み立てた木枠を参考に、布を適切なサイズにカットしてください。
ポイントは最初に四辺の中央に貼り付けた際、綺麗なひし形を作る事です。
次に、辺の中央部分から外側に向かって張り進んでいく際に、少しだけ外側に引っ張るように力を加えるのがシワを作らないコツです。
正直難しいです...。力の入れ方が難しいんです。弱すぎると張りが無くて描きにくいですし。これも一つの技術です。
キャンバス張り器でおすすめのものを以下に紹介します。あまり安物は口のゴムがペロッと剥がれて駄目になります。ホルベイン製がおすすめ。
張り器のサイズは大小2種類持っておけば良いです。張るキャンバスのサイズに合わせて購入しましょう。ゴムが剥がれたり劣化したら替えゴムを購入してください。
ついでに打ち込むのに使うタックスも紹介します。錆びにくいステン製を100gで充分です。
自分で張ると値段は安く済みますが中々しんどいです。120号くらいのキャンバスを張ると1日潰れます。
皆でやると楽しいかも。一度は経験してみてください。
キャンバスはどんな方がおすすめ?
キャンバスは全ての方にお勧めです。次回紹介するパネルもおすすめなので、自分の表現方法と合わせて選んでください。
私はキャンバスが良いなと感じる時もありますし、パネルが良いなと感じる時もあります。作品によって気分でかえてます。
油絵の具は、紙に描く事も出来ます(ジェッソを施した場合)。ただ、手軽に高級感のある作品を生み出したい方はキャンバスを選びましょう。
細かい表現をしたい場合は、細目、または中目のキャンバスに、ジェッソなどの下地を施して平滑にしてください。
以下にアマゾンで購入できるおすすめのキャンバスを紹介しておきます。
👆10枚セットにしては安い。
👆こんな面白い商品もありました。薄いパネルボードです。ジェッソを塗って手軽に描けそうです。
今回の記事はここまでとなります。
次回記事ではパネルと下地について解説していきます。お楽しみに。
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